ばね指
ばね指とは
ばね指とは指の腱鞘炎のことで、指の曲げ伸ばしをする際に動きが悪かったり傷んだりすることが多い疾患です。
指の屈曲は、腱鞘や屈筋腱と呼ばれる部位の働きによって滑らかな動きができますが、この腱鞘の動きがスムーズにいかず、屈筋腱が上手く通過しない障害のことを一般的にばね指と呼んでいます。
初めは少し指の動きに違和感を感じる程度でも、そのまま放置しているうちに指の曲げ伸ばしが困難になるなど、症状がだんだん悪化していきますので早期治療や正しいケアが必要です。
どんな人がなりやすい？ばね指の症状
ばね指は性別や大人子供に関係なくみられる症状ですが、特に更年期や妊娠・出産後の女性に多くみられる傾向があります。
加齢による筋力低下や骨粗鬆症、閉経などによってホルモンバランスが乱れてしまい、腱や腱鞘が弱くなってばね指になりやすい理由と言われています。
また、パソコン作業や野球やテニスのように手や指をよく使う仕事やスポーツは、腱と腱鞘に負荷がかかりやすいことで炎症が起きやすく、ばね指を発症しやすいと考えられています。
まれに乳幼児の親指に発症するケースもあるなど、ばね指は誰でも起こりうる症状ですので、もし指の動作や手で何か握った時に違和感や痛みを感じることが続くようであれば、早めに医療機関で診察を受けるようにしましょう。
ばね指の治療法
ばね指の治療法は大きく2種類
もしばね指を発症した場合、どのような治療方法があるのかについてですが、大きく分けて症状を改善させる保存的療法とメスを用いて根治を目指す手術療法の二種類があります。
・保存的療法
症状が軽症の場合は、まず患部の負担を減らすためにテーピングやサポーターなどで関節を固定して指の使いすぎを防ぎ、安静を保つようにして改善を促します。
炎症の症状がある際は痛みを緩和する塗り薬や湿布、非ステロイド性の鎮痛剤を処方して様子をみるようにします。
超音波や電気による血行改善や理学療法士による患部のマッサージは、薬のような即効性はありませんが慢性化した症状をじっくり自然に回復させたい方に効果的です。
あまりにも痛みがひどく、日常生活に支障をきたすような場合はステロイド剤を腱鞘の中に注射する方法もあります。
・手術療法
多くのばね指の場合、いきなり手術による治療を勧められることはありませんがなかなか保存的療法で症状が改善しない、再発を繰り返すような場合は手術による治療を行うことを検討しましょう。
腱鞘切開手術は痛みの根源である腱鞘を切開してその一部を切り落とすことで、指が曲がったまま戻らないなどのつらい症状を改善させることができます。
手術自体は入院などの必要もなく、日帰り手術が可能で所要時間も15〜20分ほどと短い時間で行えますが、1週間ほど無理やり稼働させたり患部を濡らさないようにしたりするなど気をつけることが必要です。
まとめ
ここまでばね指の原因や症状・治療方法についてお伝えしましたが、ばね指はどなたでも起こり得る症状です。
どの治療方法を取るにしても治療に要する期間や副作用について医師と相談のうえ、医師の指示に従って行う必要があります。
特に小さいお子さんの場合は本人が気づかずに過ごしているケースもありますので、よく注意して見てあげて異常があれば早期に医療機関で診てもらうようにして下さい。
