シーバー病(踵骨骨端症)

概要
10歳前後の男児に多い疾患で、踵骨骨端部(かかと)にアキレス腱が付着している部分があり、運動などで引っ張られることによって痛みを生じます。このアキレス腱が付着している部位は発育期では骨の強度が弱いためこのような症状が起こってしまいます。

症状
かかとの痛みや圧痛(患部を押すと痛い)、歩いている時に痛くなる症状(普通に歩くと痛いので、つま先歩きになることもあります)があります。またアキレス腱の付着部に引っ張られる力が持続的に加わることにより、かかとの骨の血行障害を生じ、最悪の場合、骨が壊死してしまうこともあります。

治療法
過度な運動は中止し、患部に炎症が強い場合はアイシングなどを行い炎症を緩和させていきます。またマッサージや鍼灸、温熱療法によりふくらはぎや大腿部の筋緊張を緩和させます。痛みが強い場合は松葉づえなどを使い患部への負担を軽減させます。症状の強さは個人差があり期間が年単位になることもありますが、治った後の状態は比較的に良好です。

予防のポイント
運動前の十分なウォームアップや、ストレッチングを行いましょう。
発育期のお子さんには骨端軟骨(成長線)があり、ここから骨が大きくなっていきます。そのため外力に弱く、骨折するほどの外力ではないが痛みや変形を引き起こしてしまいます。これは、子どものスポーツ障害としてもよくみられる、使い過ぎ症候群と呼ばれるものです。シーバー病は、ほとんど自覚症状しかないため、症状を長引かせてしまう可能性が多いです。
スポーツをしていたり、運動が好きなお子さんがかかとの痛みを訴える場合には、可能性があることを思い出して、早めの受診をオススメします。